原子力超入門 | 原子力を知識として理解するために | [HOME] |
電気を作る人/使う人/その他の人 貨幣を受け取りものやサービスを提供することは経済の基本です。お金を払えば誰にでも売るからといって、自分を中立だと思っている営業マンはいないことでしょう。ここでは原子力を取り巻く土俵の外の争いについて、あえて少しだけ触れます。
大きな原子炉のほうが効率がいいことから、より大きな原子炉を「より人のいない」地域に設置したら良いと言う意見が「多勢」のようです。また原発賛成派、反対派(いずれも「大勢」)の多くが都市圏に原子炉が設置されないことを前提としているようです。 しかし、どのような故障が起きても原理的に暴走しない小型原子炉の研究も行われていますし、石原都知事は都内に安全な原子炉なら設置してもかまわないという見解を述べています。かつて、首都圏では川崎に武蔵工業大学炉、東芝炉、横須賀に立教炉が稼動しており、データや人材、医療技術を発信していました。いずれも商用発電の1000分の1程度の規模しかありませんが、全て都市住民自らの手によって廃止・停止されています。 本人の意識無意識に関わらず、原発の主な利用者である首都圏の方は原子力について知る権利を自ら放棄しているのが実情です。首都圏に原子炉が出来るシナリオを、娯楽にしないで考えてみるのも必要ではないでしょうか。 善悪は別として、自分の会社の製品を買わない会社員はたくさんいます。原子力関係のホームページをよく見ていれば普通に風力発電の写真が載っていたりします。敷地内で動かしていたりします。原子力を作っている人には、意外と反対派も含まれているかもしれません。逆に、政治思想に熱中するあまり、職業精神を曲げてしった人の作ったものを、我々は購入するでしょうか。何が起きても原子力事故よりはましだという人が自動車を設計したところであなたは現実に乗りますか? 原子力反対派は大勢いるかもしれません。原子力賛成派は意外と大勢いるかもしれません。しかし実は、派閥を作っている人が一番少ないのかもしれません。 |
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