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太陽熱発電

東北大学の斎藤武雄先生が2割近い発電効率を持つ太陽熱発電を発表しました。

水を温め、二次冷却材にフロンを使用した発電方法です。(2004年8月3日読売新聞夕刊参照)

家庭用発電機が50万円程度で供給可能と言う試算で、太陽光発電が駆逐される可能性も秘める単純明快な原理を用いた発電機です。

日本は世界的に日照量が多い国ですので、自然エネルギーに興味のある方は導入されてみてはいかがでしょうか。

蛇足ですが、斎藤武雄先生はコンピュータによってヒートアイランド現象を解析する流体計算の先駆者です。ちょうどいま、私も彼の著書を参考に研究活動をしているのと、卒業生の方からいろいろ裏話をうかがっているところです。


太陽光発電

日本は世界的に日照量が多い国ですので、太陽光による発電量は世界一です。

私たちの世の中のものは全て、分子から出来ています。分子は原子から出来ており、原子は原子核と電子からなっています。電気はこの電子の流れです。つまり「電子が流れている=電気が流れている」となります。一般的なpn接合半導体を使った太陽光発電は以下のような原理で動いています。

原理をもっと単純に言うと、発光ダイオードの逆と考えればよいでしょう。得られる電力は直流なので、家庭用として使用する際には、インバーターと呼ばれる回路によって交流に変換されます。

高純度シリコン基板の上にガリウムやひ素を載せて製作します。材料はパソコンなどに入っているICと同じ物ですが、コンピュータほどの精密さ材料の高純度さは必要はありません。現在、太陽電池の需要はまだまだ少なく、自前のプラントを建てる経済性がないので、コンピュータの材料を転用しています。

普及が進めば、太陽電池向けの安価な技術が採用され、価格破壊がおこると言われています。

ただし、高純度シリコンを得るためには爆発性毒物のフッ化シランを蒸留する必要があります。また、ひ素の回収方法は確立していない状態なので、大量に作るようになった場合にこれが潜在的危険性となる可能性があります。


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