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電気はためられない?

携帯電話には充電池がついています。電気をためるだけなら誰にでもできます。では電気は貯められないというのはどこから来るのでしょうか。

重い荷物を背負うとき複数の人で持ち上げるとしましょう。

● 人が少ないと、持ち上げることが出来ません。

● 人が多すぎるともてあますことになります。余った人にも食事を与えつづけなければなりいません。

● 突然持つ人が増減したり、荷物の重さが増減すると対応できず、荷物を落としたり、体を壊したりします。

たとえば、人気テレビ番組がある時間帯にあわせて水力発電所を動かしたり、暑い日には火力発電所を待機させる。涼しい火やイベントのない日には発電所を落としたりといった計画を電力会社は行っています。特にテレビ番組のように突然変化する電力需要に対応するには高い管理能力が必要です。

我々が電力会社から購入しているのは電気だけではありません。一秒間に50回与えられる信号であり、100Vのパワーであり、そしていつでもコンセントを繋げれば使えるという信頼でもあります。


原発は必要か?−では電気は必要か−

多くの原子力技術者は多少のリスクは覚悟すべきだと言います。私もたまに口にしますが、この回答は不適切だと思います。

原子力について知りたい、議論したいと少しでも思っている方は、人に回答を求めるのではなく、どうぞご自分の職業なども含め自問自答してください。遠くの映像を映し出すものがあればテレビも電気も要りませんし、食べ物が腐らない涼しいところがあれば、冷蔵庫も電気も要りません。歩いていけるところにほしいものが手に入る店や我々を癒す自然、仕事場や親戚友人がいれば、車もガソリンも要らないのです。その先にあるのは虚無主義でしかありません。

一方、原子力技術者たちは「安全」と「信頼」を売り文句にします。しかし、具体的な付加価値を提示していかなければ、原子力が一般人に受け入れられることはないと思います。その中で、私は気が付かれることのない巨大科学技術の中で唯一、原子力だけが一般人が注目するものだと言うことで、教育サービスを提供する場としてこのサイトを立ち上げました。あなたはどのような付加価値を発信するでしょうか。


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