原子力超入門原子力を知識として理解するために[HOME]

サイトの趣旨

巨大科学技術の光と影。1970年代まで、日本は工場と公害の国でした。今、日本は公害もなければ職もない、評論の声があふれるきれいで透明な国になっています。日本の高度成長を支えてきたプラント産業は次々と安い人材、広い活躍の場を求め海外に移転しています。

原子力は今後100年はなくならないと思います。それは国策だからではありません。多くのプラント産業が海外流出する中、原子力は国内でしか操業できない唯一ともいえる産業だからです。日本の原発利用者は日本国内にしかいないからです。日本は世界唯一、平和利用のみの原子力開発が出来る国だからです。外国好きの日本人のブランド嗜好とはわけが違います。雇用確保でもありません。頑固でも正義でもなく、日本で生まれた限り日本でやるしかない産業なのです。

安全神話は崩壊し、技術立国日本は地盤沈下の真っ只中にあります。私個人が発言するのは大変失礼ですが、一方で多くの科学技術者や一般市民が、評論家たちの作った賛成反対のレッテルを貼ったり剥がしたりすることにばかり熱中していると思います。

さて、我々に与えられた選択肢はたったこの二つしかないのでしょうか?日本のプラントを製造運営する基幹技術が失われれば、原子力も当然消え失せるでしょう。この日本で巨大産業に携わるあなたには次の世代に何を伝えられるでしょうか。

2004年8月20日

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実態のあるコミュニティー

実際に見たり触ったりしたことのない方に物事を説明するとき、人はしばしば「たとえ話」をします。しかし、たとえ話は真実ではありません。では真実を話さない人はうそつきでしょうか。私は違うと思います。それ以上に重要なのは、原子力従事者の生の体験を、聞く側のレベルに配慮しながら伝えることではないでしょうか。聞く側も、賛成反対論評のネタ探しではなく、なにを学ぶかこそ重要だと思います。

結果的に本サイトには不正確な内容もあるかと思います。「原子力のような重大なことは絶対正確でまとまっていなければならない」という考えの方のご期待には添えかねますが、不正確であっても生の声が聞きたいという方のお役に立てればと思います。

自己実現のために

本サイトは個人負担によって制作されています。賠償、補償、保険といったものは一切用意していません。本サイトにはしがらみはありませんし、逆にたたかれればつぶれます。

原子力が国策である現在、なぜ個人が弱小で曖昧な原子力のサイトを立ち上げる必要があるのか。答えは自己実現のためです。市民VS国家&巨大企業と言う対立の構図を作りたがる人が数多くいますが、主体性をもって社会の一員としての役割を果たしていくことこそ社会人の基本ではないでしょうか。

さいごに

私は原子力賛成派でも反対派でもありません。いいものはいいし、悪いものは悪い。だからといって、脅迫されても公正中立な判決をおろす裁判官をネット上で演じるつもりはありません。当事者に利益がないことを周りがとやかく議論しても意味がありません。自分の能力もわきまえず、人を敵味方に分類することは横柄だと思います。私はあくまで等身大で原子力のお話をさせていただく次第です。

本サイトがベストであるとは思いません。ただ私は原発を見学し、技術者と話し、利用者と話し、さわれるものは手に取って見てきた体験を精一杯ここでご紹介したいと思います。本サイトが書き手読み手、互いが自分自身の課題を見つけ、向上させられる場となれば幸いです。

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